040316
  • 東播獣医師会のトピックス




  • <ウイルスについて>
    ○ 高い致死性の病原性を持つ。
    ○ 感染動物は鶏、七面鳥、あひる、うずらなどである。
    ○ 家畜伝染病予防法に定められている法定伝染病である。
    ○ 日本では1925年以来発生はなかった。

    <感染した動物の症状>
    ○ 元気消失やうずくまるなど
    ○ 首が曲がるなどの神経症状
    ○ 鼻水や呼吸困難などの呼吸器症状
    ○ 下痢などの消化器症状
    ○ 肉冠の出血や壊死
    ○ 顔面の腫れ
    ○ 脚の内出血
    ○ 突然死
    ○ 潜伏期間はおよそ3〜10日くらい

    <人への影響>
    ○ 生きた感染鳥や糞便との接触等により人に感染した例が知られている 
                       (香港1997−1998、ベトナム、オランダなど)。
    ○ 元来、人に感染することはまれである(種特異性)。
    ○ 食品(鶏卵、鶏肉)を食べることによりインフルエンザウイルスが人に感染することは世界的にも報告されていない。

    *どうしても気になるなら
    ○ 加熱によりウイルスは死滅(75度で1分以上)

    <飼い鳥への影響は?>
    厚生労働省、国立感染症研究所

    ○ 限られた地域で病気の鳥が出た段階であり、すぐに危険な状況とは言えない。
    ○ 対策としては、糞などをこまめに掃除する,健康維持につとめる,鳥が病気になったら診察をうける、などが重要である。
    ○ ふだんの注意で十分である。

    <学校飼育の鶏は?>
    鳥インフルエンザの権威
    喜田宏・北海道大学大学院獣医学研究科教授(微生物学)の話

    ○ 学校で飼っている鶏の感染例はない。
    ○ もし鶏が感染していれば、うずくまっているなど見た目で直ぐに分かる。
    ○ 心配ならば、せっけんでよく手を洗えばウイルスは死滅する。
    ○ 過度に心配する必要はない。

    <学校における具体的な対処方法>
    日本小動物獣医師会資料より抜粋(平成16年2月18日)

    ○ 普段かかりつけの動物病院と相談するなど、健康状態観察を徹底する。
    ○ 野鳥の飼育小屋への侵入を防ぎ、鳥を屋根のない庭には出さない。
    ○ 衛生管理を徹底する。
    ○ 1日1回は必ず掃除し、清掃中はマスク,ゴム手袋,ゴム長靴などの着用が望ましい。
    ○ 飼育舎出入りの時は逆性石鹸液や塩素系消毒薬などをバットに入れたもので靴の裏を消毒する(ゴム長靴を利用すると良い)。
    ○ 飼育舎清掃後、また接触後の手洗い,うがいを徹底する。
    ○ 異常な鳥(元気がない,死んでいるなど)を発見した場合は、鳥類に接触せず動物病院や家畜保健衛生所に連絡する。

    <消 毒>
    ○ 手指の消毒
    逆性石鹸(塩化ベンザルコニウム液)
    商品名:オスバン,逆性石鹸液,ザルコニン液,塩化ベンザルコニウム液
    100〜200倍に希釈
    ○ 噴霧消毒
    逆性石鹸1000倍に希釈
    次亜塩素酸ナトリウム液:ピューラックス(6%)300〜1000倍に希釈キッチンハイター200倍に希釈
    ○ 土床の消毒:消石灰を散布

    * 消石灰使用上の注意
    消石灰を床に撒いた場合、水と反応して数分後にやや発熱します。約1時間経過してからニワトリを
    その場所に戻してください。
    生石灰は発熱が300度にも達しますので、近くに可燃物など置かぬよう取り扱いに十分お気をつけください。
     学校などで保存されている消石灰で成分表示が消えてる場合には、少量の消石灰を水に入れて5分くらい待ち
    発熱反応を確認してから使用したほうがいいでしょう。
     消石灰使用に不安がある場合は、またはない場合でも、動物舎内には口に入っても安全な逆性石鹸の噴霧を
    行うといいでしょう。

    <野鳥の取り扱いについて>
    死亡している野鳥は絶対に素手で触ったり移動させたりしないようにして、
    速やかに農林事務所に連絡してください。TEL078-361-8554



    平成16年2月19日 緊急提言 
    全国の小学校、幼稚園・保育園、教育委員会等の教育関係者の皆様
    全国の小学生、幼稚園・保育園児等の保護者の皆様へ
    日本獣医師会学校飼育動物委員会 委員長  唐木英明
    社団法人 日本獣医師会    会 長 五十嵐幸男

    学校飼育動物の鳥インフルエンザ対策について

     平成16年1月に山口県の養鶏場で鳥インフルエンザが発生しました。海外ではこれが人に感染し、
    死亡者も出たことから、この問題はマスコミ報道でも大きく取り上げられましたので、
    ご心配の方が多いと思います。
    さらに2月には大分県でペットとして飼育されていたチャボにも鳥インフルエンザが見つかったことから、
    ニワトリ、チャボや小鳥などを飼育している学校、保育園・幼稚園等の先生や保護者の方々から、
    日本獣医師会などに対して、子どもへの感染を心配する声や相談が寄せられています。
    しかし、国内で鳥インフルエンザが発生したからといって、学校や家庭で飼育しているニワトリや
    小鳥が危険だということではありません。人間も鳥もインフルエンザの予防は同じです。
    清潔な状態で飼育し、インフルエンザを運んでくる可能性がある野鳥が近くに来ないようにし、
    ウイルスがいるかもしれない鳥の排泄物に触れた後には手洗いとうがいをすれば感染の危険はありません。
    詳しいことは、動物衛生研究所のホームページ鳥インフルエンザについて@ 兵庫県 をご覧ください。
    鳥を飼育している皆様には、飼育中の鳥を野山に放したり、処分するようなことはせずに、
    冷静に対処していただきますようお願いします。
    日本獣医師会は、子どもの豊かな心を育てるために動物とふれあう情操教育が大変に大事だと考え、
    学校で飼育されている動物の診療をはじめ、動物の健康管理や飼育のお手伝いを行っています。
    動物飼育は子供たちに計り知れない影響を与えますが、それは子どもたちが動物に愛情を持って、
    守り、育むという役割を果たすことによってもたらされるものです。動物の「お父さん」、「お母さん」
    であることを自覚した子供たちにとって、その大事な動物が遠くに行ってしまったり、
    まして処分されたりすることがどのような大きな悲しみを与えるかを周囲の大人は真剣に考えていただきたい
    と思います。

     子供たちの「からだ」の健康を心配するあまり、「こころ」の健康を軽んじるべきではなく、教育関係者、
    保護者の皆様方には、ぜひとも「学校における動物飼育」の意義を問い直していただきたいと思います。
    指導にあたられる教員の方々は、子供たちには衛生的な飼育管理法や、手洗い・うがいの励行を指導するとともに、
    ご自身で動物の様子を観察していただき、元気がなくなるなどの異常を発見したときには、
    直ちに近くの獣医師に連絡して診察を受けていただくようお願いします。不明な点がありましたら、
    地元獣医師会または最寄りの家畜保健衛生所にご相談ください。

    最後に、日本獣医師会は、様々な生物の命をみつめ、育む職業である獣医師の団体として、
    今後とも学校飼育動物に対する支援を継続することを申し添えます。